自己紹介文
詩人・児童文学作家。1962年生まれ。長崎大学教育学部修士課程修了。日本児童文学者協会会員。著作に『マザー』(ポプラ社)、『だいすきだキヨちゃん』(クリエイツかもがわ)、『君を失って、言葉が生まれた』(ポプラ社)、『ライスカレーと母と海』(ポプラ社)などがある。
母は六十歳の時にアルツハイマー型痴呆症と診断されました。物忘れがひどくなり,周りとの会話が成り立たなくなり,そのうち,言葉をなくし,徘徊が始まり,そして,突然歩くのをやめ,車いすの暮らしが始まりました。それから二年後,食事が飲み込めなくなり,今は胃ろうから食事を摂り、寝たきりの状態です。私のことが理解できているのか、できていないかも定かではありません。しかし,母は、痴呆が進んだ今でも自分を生きながらえさせることで,たぶん私を育ててくれているのだと思うのです。母の瞳の奥に私を諭すような本当の母を見いだしたとき特にそう思うのです。